台北中心部 急速な都市化が進みアジアを代表する都市の一つとなっている。
治安面でも台北から高雄まで極めて良く、日本の主要都市やシンガポール、香港などの治安の良さで世界のトップランクに位置する都市との差も感じられない程安全であり、台湾の各都市の治安の良さはもっと世界的に評価されても良いだろう。
台湾のエネルギー
台湾は日本同様エネルギー資源は輸入に依存
石油は主に中東、天然ガスはインドネシアやマレーシアなど、原子力発電所は北部は台北からおよそ30kmの距離、そして南部にも存在する。日本同様、地震、台風などの自然災害が脅威でもある台湾はエネルギー多角化の観点から再生可能エネルギーの開発が進んでいる。
台湾の主要産業として半導体産業が挙げられ、世界の多様な先端デバイスの部品を台湾企業が担っている中、Appleなどもサプライチェーン企業に対しても再生可能エネルギーの利用を奨励しており、今後緑色能源市場はより活性化するだろう。
緑色能源の中では太陽光発電と風力発電が活況しており、耕作用途として不向きな農地などに太陽光発電装置が設置され、自然環境への負担を軽減している。
台湾中油股份有限公司 台湾の石油精製、販売を担う国営企業
彰化離岸風力發電
西海岸の彰化では太陽光発電と洋上風量発電が大規模に実施されており、グリーンエネルギーのモデル地区として注目を集めている。尚風力発電市場では有名なデンマーク企業、及びカナダのNPIがプロジェクトに参画
欧州の風力発電シェアの高さは有名であり、特に英国には世界最大の洋上風力発電プロジェクトが実行されている。
風力発電機器製造では、デンマークのVESTASは世界最大規模のシェアを誇り、ドイツのEnercon、Simens、スペインのGamesaも同市場で大きなシェアを誇る。
欧州は陸地で建設可能な風力発電用土地が飽和に近づいており、今後は海底ケーブルの設置、メンテナンス他プロジェクトの費用も高額となるが、安定した風力を得られる洋上風力発電が重要になることが予想され、アジア市場への展開も活発化するだろう。
台湾の洋上発電プロジェクトには多くの欧州企業が参画しており、その中でもデンマーク企業は主要な地位をしめる。
デンマークは世界最大規模の風力発電市場であり、世界規模の風力発電企業を生み出しており、再生可能エネルギーの開発が進む中、アジア、特に台湾でその存在感を高めている。
デンマークは以前台湾同様エネルギーは中東などからの輸入に依存しており、1970年代の石油危機に直面した際エネルギー政策の転換を余儀なくされた経緯がある。
平坦な土地が多いデンマークにおいて水力発電は難しく、また長い冬季期間の曇りが多い天候では太陽光発電は望めないため、風力発電へ注力することとなった。
政府による風力発電事業への優遇措置などもあり、デンマークの風力発電市場は成長し、今後は再生可能エネルギーの比率を更に高めるべく開発が展開されている。
欧州の電力市場は民間企業のシェアが大きく、台湾をはじめとしたアジア市場とは異なる面も多いが、風力発電機は膨大なパーツからなるため、現地台湾企業もパーツ生産のサプライチェーンに含まれ、欧州企業からノウハウを学んだ上、将来的には全行程を国産化する事が目標である。
また高雄には高雄海洋科技產業創新專區が設置され、風力発電パーツの生産など、関連企業の集積が期待される。
台湾の産業
半導体市場で世界的に大きなシェアを持つ台湾企業は、PC、スマートフォン市場では日本でもお馴染みのAsusとAcerがアジア市場でも非常に高い人気を誇っている。
タイ、マレーシア、フィリピン他ASEAN諸国ではコンピューター、スマートフォン市場が巨大であるが、関税の関係もあり、サムソン、Huawei、Lenovoそして台湾のAsus、Acerがどの店舗でも売られており、特にコンピューターゲーム市場が急速に発達しているASEAN市場において、ゲーミングPCでは台湾のPCメーカーが非常に大きな存在感を持っていると強く感じる。
日本でも話題になっているE-Sports市場はASEANでもその盛り上がりは凄まじく、ショッピングモールや家電量販店ではゲーミング関連商品が多く陳列されており、その人気が伺え、今後の有望市場の筆頭でもある。
高性能PCの為、価格は非常に高価であり、現地の平均給与の数ヶ月分はする場合も決して珍しくないが、経済成長により所得が上昇するアジア市場において今後もPC、スマートフォンそしてゲーミングPC市場で強みを持つ台湾企業の競争力は強い。
ベトナムへの進出企業は、韓国のサムスンをはじめとして多くの国の製造業が進出しているが、米中貿易摩擦が発生している現在、生産拠点をベトナムへ移す企業が今後も増加する可能性が高い。
半導体市場で圧倒的な競争力を誇る台湾はラップトップの製造などで中国に生産拠点を構える傾向が多いが、今後の米中の関税率の変化によってはベトナム、インドネシア、ミャンマーなどへ移転する企業も増えるだろう。
ハラル市場への進出
台湾にとってインドネシアは距離的にも近い巨大市場であり、台湾国内では介護士需要、そしてインバウンド市場、インドネシア市場では旺盛なオートバイ需要、製造業の進出先としてなど経済連携が進んでいる。
展覧会場ではハラルEXPOが開催され、台湾のフード市場の関心の高さが伺え、台湾で有名な小籠包の老舗である鼎泰豐もハラル市場に適合し、インドネシアで多店舗展開している。
アジアを代表する都市の一つになるまで成長した大都市 台北
桃園国際空港の拡張工事及び市内中心部とを繋ぐMRT工事も完了し、アクセスが劇的に向上した台北はアジアをリードする先端都市の一つに成長を遂げた。
また桃園空港では、無人の手荷物チェックインシステムの導入など先端技術を持ち合わせており、世界のハブ空港競争においても既にトップクラスの利便性を誇っていると利用の度に実感する。
台北は日本企業、飲食店も非常に多く進出しており、日本人にとってもっとも身近な観光地であると同時にビジネス、経済においても密接な関係が続いている。
台北中心部の不動産価格は香港同様、超高額に達しており、以前より一般会社員では長期ローンを組んだとしても手が届かない水準に達しており、円安、及び日本の不動産価格の手頃感から、多くの台湾投資家が日本の主要都市の不動産投資に積極的に参入してる。
不動産投資による台北の不動産価格の異常な値上がりを抑制するため、日本でも導入が検討されてきた空き家税の課税も台湾において検討されており、空き家の判断基準および経済に与える影響など複雑な要因が絡むため、今後現地住民に手頃な価格で不動産を提供するためどのような施策が儲けられるか注目される。
日本の空き家税の検討の根本は人口減が派生する住宅への需要減少であり、空き家が地域景観などに与える都市環境の悪化を防ぐ目的が主だが、台北は不動産に対する需要は圧倒的に存在し、同様に空き家税と言っても日本と台湾ではその趣旨が異なるだろう。
台湾国内の移動では新幹線に加えて、長距離バス路線が非常に発達しており、安価に各地域を行き来可能となっている。
更に台湾の長距離バスの内装は通常バスでも快適ですが、多少高めのバス路線は下記写真の様にシートの快適さなどが劇的上がる。
台北、高雄間を行き来可能な長距離バス
通常運賃より高めの路線は日本の豪華長距離バスに匹敵する素晴らしい内装を誇る。
台中中心市街地 バスターミナルの改修も完了し台湾中部の拠点として交通の利便性が向上
し、更に地下鉄も建設中であり、2020年に運行開始を予定
世界のフィットネス器具市場で有名なジョンソンヘルステックは台湾の台中で設立された企業であり、世界数十か所の拠点を置く世界的大企業であ理、一貫した自社生産により高いクオリティーにより、家庭用、フィットネスクラブ業界共に非常に高いシェアを得る。
臺中智慧營運中心
台中に誕生予定のAI、ビッグデータ他先端情報産業の集積を目的とする高層シンボルタワー
台南エコシティー計画 沙崙智慧綠能科學城
台南の新幹線駅付近には政府が推進する再生可能エネルギー他先端化学技術が集積する巨大規模のスマートシティプロジェクトが進行
ゴミの埋立地の有効活用として台南の天候の良さを活かした太陽光発電エリア、大規模会議場、展示場を備えたMICE施設、ホテル、住宅地、複合商業施設、自動運転などの先端技術を結集したエコシティーである。
先端技術を擁する企業が集積しやすい環境が整備される事に加え、更に南には国際港湾都市として有名な高雄の開運物流も利用可能であり、今後の発展が期待される。
台湾第二の都市 高雄の観光の中心地 愛河
海、山、川に囲まれた豊かな自然環境と機能的な都市の融合性は素晴らしい。
アジア、世界でも有数のコンテナ取扱量を誇る高雄港を通して台湾全土で製造された製品の輸出および台湾への輸入を担っている。港湾エリア付近には複数の産業エリアが設置され、大型展示場もあることから多くの国際商業イベントが開催されており、高雄の存在感は急速に増している。
台湾第二の都市であり、港湾都市として台湾南部の貿易の要となっている高雄は日本の主要都市とを繋ぐLCC直行便が増加し、日本からの行き来が容易になった。
冬季期間は雨が多く、気温も下がる台北と比較し、南部に位置する高雄は冬でも温暖な点が大きな魅力でもある。
日用品物価は台北とほとんど変わらないが、賃貸価格、宿泊施設の価格は、高騰が続く台北と比較して手頃で利用可能である。
また台北同様地下鉄が整備された都市環境は非常に利便性が高く、治安も台北同様非常に良い点が挙げられる。
地下鉄沿線に加えて新たにスペイン製のLRTの運行も開始されたため、市内移動の選択肢が増え、今後も路線の拡大などからより交通事情が向上する事が期待される。
高雄中心部から空港へも地下鉄で簡易にアクセス可能であり、空港の出国手続きもシンガポール同様に自動認証手続きで一瞬で終わるため、出国手続きに長蛇の列に並ぶと行った無駄な行為が不要であり、極めて高い利便性が提供されている点は評価が高い。
メディカルツーリズムに力を入れる高雄
日本同様国民健康保険制度を導入している台湾では、少子高齢化も日本と同様に急速に進んでおり、介護士不足を補うため、インドネシアなどからの介護士受け入れを積極的に行っており、市内中心部には在住インドネシア人向けの店舗の集積も見られる。
シンガポール、マレーシア、タイ、韓国、日本、などメディカルツーリズム競争が今後激しくなることが予想される中、台湾も高い医療技術を背景に積極的にメディカルツーリズムを提供している。
外国人向けに医療を提供している大病院のウェブサイトは、英語に加えてベトナム語、ロシア語などを提供している場合もあり、その需要の高さが伺える。
日本同様ロボットアーム手術機器を導入している病院もあり、また市内には多くの脊椎関連医療センターを見かける事が特徴的である。
台湾を代表する財閥
台塑企業
台湾を代表する最大級コングロマリットであり、化学繊維などの重工業から大学を含めた教育、生物化学の研究、そして長庚醫療財團法人などの医療まで多様な産業でシェアを握る
長榮集團
EVER AIRでおなじみであり、海運他交通産業で多角化を誇るEVER Group
光陽機車 高雄で生まれたオートバイメーカー
交通インフラが非常に高度に整備されている台湾だが、バイクの利用者は台北から高雄まで非常に多く、市民の主要な交通手段となっている。台湾のモーターバイク市場において高いシェアを誇るのがKYMCOである。本田からの技術供与を受け成長し、現在では世界中に店舗を展開するグルーバルメーカーとなった。
統一企業
台湾でのセブンイレブン運営をはじめ、物流、デパートなど多様な事業へ進出している台湾を代表するコングロマリットの一つ
台湾を代表する製鉄企業であり、風力発電プロジェクトの中核を担う中國鋼鐵股份有限公司の本社オフィスビル
極めて先進的なビルデザインが目を引く、同エリアには高雄展覽館、智崴全球股份有限公司など高雄市の先端技術と企業が集う
高雄港
台湾最大のコンテナ取扱量を誇り、世界の港湾ランキングでも上位に位置するアジアを代表する港湾の一つ、市内中心部、空港との距離の近さも最大の魅力の一つである
アジアではマレーシアや中国を筆頭に港湾設備への巨額投資によって近代化競争が激化しており、今後高雄もそうした近隣諸国との港湾競争に勝ち残る必要がある
高雄政府は港湾競争力を増すため、港湾設備の拡張、自動化による港湾業務効率の向上、更に観光地としての港湾地区の開発など大規模プロジェクトが現在も進行している。
スペイン製LRT無架線輕軌が運行開始
高雄は雨量が多いため第三軌供電方式が難しく、停車時における充電方式が採用されている。
倉庫街を改装し、芸術家が集う人気観光地となった駁二藝術特區から市内南部の地下鉄駅を繋ぐLRT路線によって、高雄市の交通の便が飛躍的に向上した。
高雄の地下鉄車両はドイツのシーメンスであり、同社はアジア含め世界で圧倒的なシェアを誇る。台北の地下鉄もシーメンズ及びカナダのボンバルディアといった鉄道車両のメジャー企業が提供している。
ラグジュアリー超高層コンドの建設ラッシュの高雄市内中心部
海及び世界でも屈指の競争力のある高雄港の設備が一望出来るシービューが売りでもある高雄市内の超高層高級コンドであるが、次々に近隣には既存ビルを上回る超高層コンドの建設が進行中 内覧、商談他予約システムの活用場面が考えられるだろう
写真:亞洲新灣區
三多商圈車站から徒歩数分の超好立地である亞洲新灣區は超高層豪華マンション、展覧会場、ソフトウェアパーク、図書館、LRT駅に加え、国際規模の大企業が本社を構え、高雄市内における要注目の開発エリアとなっている。
上部写真:國揚實業 國硯 43階建ての高層ラグジュアリーマンション
高雄の不動産開発、建設業者の中でも最大手の一社である京城集團
高雄に本社を置く主要不動産開発グループの1社である京城集団は、高雄駅から北部の地下鉄駅周辺の高級住宅アパートの開発、建設に加え、ホテル運営などを展開
捷運凹子底站の目の前の超一等地の立地性に加え、圧倒的な開発規模に驚かされる
THE ONE 台灣最高頂級飯店豪邸
台湾を代表するコングロマリットの遠雄企業團が提供
68階建台湾全土で最高の高さを誇る超高級、超高層ホテル&マンション
高雄中心部 美麗島車站附近 婚礼関連サービス店舗が立ち並ぶ
高雄の交通の中心地である美麗島駅の付近は、婚礼関連サービス店舗に加えて、英語、日本語他、欧州言語を中心とした言語学校、銀行が多数集積
高雄市もシンガポールの発展を手本として、バイリンガル教育を推進しており、今後も語学教育市場の活性化が予想される。実際市内中心部の語学教室の集積は他海外都市でもあまり見られないほど発展しており、特に小規模ビル一棟丸ごと語学教室として運営が実施されている点が特徴的だ。
台湾では新婚夫婦の記念撮影を街中でも良く見か、特に高雄の美麗島駅付近には交差点の角地一等地を含め婚礼関連サービスの店舗が集積
予約システムDEMO ウェディングプランナーの予約システム
台湾と香港の訪日観光客の割合は中国、韓国と並び非常に高くインバウンド事業者にとって中国語繁体字の提供は必須である。
台北、高雄と日本の主要空港を繋ぐ直行便は多く就航しており、特に沖縄から台湾間は飛行機で1時間半ほど、しかもLCCにより国内移動より安く行き来が可能になっており、沖縄を訪問する台湾からの観光客の数は今後も増加するだろう。
また台湾観光客の人気観光地域として北海道があり、台北、北海道間の飛行路線の方が国内都市、北海道間より安い場合もある程、台湾、北海道間の路線の人気、需要の高さが伺えるため、北海道の事業者は台湾観光客への積極的なPRが功を奏しそうだ。
経済成長と共に物価が上昇を続け、円安条件も重なっているため、台湾観光客からするとデフレが進む日本の物価は格安に転じているため、今後も訪日台湾観光客は増加する事が予想される。
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