深圳
世界中で最も革新的な都市として圧倒的な注目を集め世界中から起業家及び資本が集中している現在最も勢いのある中国の深セン、元は漁村であったが経済特区に指定され、以後圧倒的な成長を遂げることとなる。
市内は地下鉄、バスが整備され移動の利便性が極めて高く、そして何より注目を集めているのが電動自動車の普及である。
市内中心部の金融街福田エリアの公共交通機関はバスをはじめ、タクシー、自動車、自転車など電動化が進んでおり、メガシティーでありながら騒音がほとんどせず、またタクシー運転手の交通マナーの極めて良い。
またキャッシュレスも非常に進んでおり、中国専用の決済手段が求められ、現金を受け付けていない自動販売機などが多く、カードのみが使用可能な外国人にとっては少々敷居が高い印象を受けた。
イノベーション都市 深セン
深センがイノベーション都市として世界から注目されている背景には香港、広州という世界屈指の金融機関集積地及びコンテナ取扱量でも世界屈指の港湾である広州港、香港港に隣接するその地理性、及び経済特区としての市場環境を背景がまず挙げられる。
多様な製造関連企業、工場が集積しており、小ロットでも製品設計から生産まで発注が可能な点は、プロダクトサイクルが極めて早い昨今において、起業家の商品開発コストとリスクを低減させる効果が見込める。
また中国全土から集まる豊富な労働力も製造業において重要な要素であり、深センの人口比率の多くを他地域からの転入者が占めており、若年層が多い点も深センの活力となっている。
深センのスタートアップ企業の中でもドローン開発企業の先端技術は世界的に高い評価を得ており、ドローンの多様な利用可能性、例として農薬散布、防火活動、測量、空中撮影、物、人の輸送など多くの市場で新たな需要創出が期待される。
スマートフォン市場も設計から生産、物流、販売まで委託企業を多様に分散する例が見られ、汎用性が高いパーツは各企業で共通利用するなど生産の効率化とコスト削減が期待できる。
こうした環境により優れたアイデアおよびIT事業などで既に膨大なマーケットシェアを有する企業は、スマートフォン市場含め製造業など他業種への参入がしやすい環境が深センには整っている。
ドローンの開発等含め、一大起業都市として近年世界中から注目を集めている深センであるが、不動産の高騰に反して、宿泊施設や食事等の物価は非常にリーズナブルである。
深セン空港のLCC就航が増加すれば更に訪問者が増えると予想出来るが、現時点では香港空港が圧倒的にLCCの就航などで勝っている為、香港経由で深セン入りする場合が主であろう。
中国の不動産市場の加熱ぶりは既知の通りであるが、その中でも深セン中心部の不動産価格の値上がりはトップクラスとして有名である。
市内の交通インフラは抜群に整っているが、あちこちで道路工事やビル建設などが実施されており、まだまだ発展する余地があるのかもしれない。
深圳と香港間の廣深港高速鐵路
北京、深セン、広州〜香港間を繋ぐ高速鉄道の完成、香港からマカオ間の海上橋の完成など、華南地域の一体化が進んでいる。
高速鉄道の運行開始により香港九龍駅、深セン間がわずか片道10分足らず、広州へは片道1時間弱で行き来が可能になった。
ただし、入出国審査が必要なため、余裕を持った手続きが必要である。実際に乗り遅れた人や、出発まで時間がなく急いでいる人を多く見かけた。
特に中国側への入国手続きは少人数でも列に並ぶ待機者の国籍などにより大幅に審査時間が異なるため、列が少人数でも油断は出来ない。
深センから香港間は地下鉄で行き来も可能であるが、紅磡からであれば長い地下鉄乗車時間に加えて、長蛇のイミグレなど決して両地域間の行き来は多少面倒でもあった。
はじめて香港から地下鉄で羅湖駅の入管を抜けた時は香港とのあまりの違いに驚いた記憶が強く、深センと香港の国境には2つの国境ゲートがあるが、土日は凄まじい人の渦と化す。
その点、高速鉄道であればイミグレの手続きはあるものの、より利便性が高く両区間を行き来可能である。
九龍側に滞在し、福田エリアへの行き来であれば、私は今後もこの新しい高速鉄道を迷わず
選択するだろう。
福田駅周辺
地下鉄または、高速鉄道共に羅湖駅と共にもう一つの中国側発着駅である福田エリア
深センは広く、雑多な感じの羅湖駅と洗練された福田駅周辺のビジネスエリア色の強い市内中心部エリアとでは趣が大きく異なる
広州駅から香港 廣深港高速鐵路
深センと香港間の行き来と比べ、広州方面へ行く場合は注意が必要である。
何故ならこの新鉄道路線は広州市内中心部から離れた広州南駅に到着するからである。
一方、従来の高速鉄道であれば時間はかかるものの紅磡から広州東駅を結ぶため、広州
到着後の移動の利便性は高い。
そのため、広州へ行く際は、目的地に応じて紅磡からか、また九龍駅からかを選択する必要がある。
中国国内の新幹線、列車予約
主要先進国は既に国内全土でのインフラ整備がほぼ完了しており、国内での新たな新規建設機会は乏しく、鉄道沿線事業者は海外での車両、インフラ建設受注へ注力している。
主要な鉄道運営企業としては欧米ではドイツ、フランス、カナダなどが世界でも大きなシェアを持っており、アジアでは日本、韓国、中国も海外展開を積極的に展開している中、中国企業はアフリカから南米までインフラ建設から車両輸出でもシェアを伸ばしており、今後も世界での存在感が急速に高まる事が予想される。
中国の鉄道技術は世界的に高く、世界最長になった国内鉄道距離からも分かる様に、技術の蓄積が他地域と比較にならない速度で進んでいる。
中国国内は何といっても広大なので、当然飛行機移動が良い場合もあるが、飛行機の路線がない場合や新幹線で2,3時間以内で着くのであれば主要駅同士を結ぶ新幹線利用の方が利便性が高い場合も多い。
しかし、新幹線や列車の切符は外国人の場合パスポートの提示が必須のため券売機で購入は出来ず、またネットで切符を予約する場合も初回は窓口にて購入する必要が以前はあった。恐らく現在でも同様ではないだろうか。
一度窓口で購入すれば以降は中国国内の鉄道チケットをネットで簡単にアプリから購入可能であり、その後窓口でチケットをパスポートを持参して受け取るが、大体多くの有人窓口は長蛇の列ができるため、注意が必要だ。
また、中国の高速鉄道の搭乗手続きは国内飛行機とほぼ同様に出発間近にゲートが開くシステムである。
広州
深センから北へ高速鉄道で僅か約1時間ほどで到達する中国4大都市の一つ金融都市広州
深セン同様とにかくその都市のスケールの大きさに圧倒される
深セン、アモイ同様南部に位置する為、冬の寒さが厳しい中国大陸にあっても温暖であり、日中は冬でも半袖でも可能であるが、夜間は多少冷える。
北京や上海と比較して広州と深センは超大都市にも関わらず物価、特に宿泊施設が非常に安く隣の香港との圧倒的な物価の違いに驚く。
進むリサイクルとゴミ分別
中国政府はリサイクル、ゴミ分別に非常に力を入れている。
事実、テレビや広州市内の到る所でゴミ分別を奨励するスローガンが見られ、街中でも分別されたゴミ箱が非常に豊富に設置されており、中国政府の環境向上への強い意図が感じられる。今後はこうした主要都市でのリサイクル、ゴミ分別が他地域へも拡散し、環境、資源の節約などへ寄与する事が予想される。
発達する公共交通手段
広州市内中心部の圧倒的な数のシェアサイクル
地下鉄やバスなどの公共交通機関が非常に発達しており、運賃も安く便利な広州市内は深圳と比べて都市が大きく主要地域が分散しており、多様な公共交通から選択する必要がある。
市内では、シェア自転車が多くあり、更に電動自転車が歩道を行き交う多様性に富んでいる。地下鉄の利用率も非常に高く、路線によっては常に満員の状態であり、地下鉄、バス、シェア自転車、タクシーなどをうまくミックスして活用することが広州の移動において必要だ。
進む中国のキャッシュレス、電子決済対応
中国の電子決済の普及率は既知の通り非常に進んでおり、現金指向の強い日本国内市場よりはるか先を進んでいる感が強く、中国からの観光客の増加に伴い、日本国内でも中国で圧倒的シェアを誇る決済手段の採用が非常に増えている。
膨大な決済データは極めて有効なマーケティングツールとしても利用可能でもあり、日本でもオンライン決済プロパイダーが乱立し、シェア獲得競争が激化しいる。
中国でも主要決済プロパイダーがユーザーの囲い込みと開拓のため、熾烈な競争を展開している。
深セン、広州のキャッシュレスは実際に圧倒的に進んでおり、地下鉄の自動券売機の多くが中国決済のAlipay や Wechat対応となっており、現金で購入可能な券売機は数が少ない。
またコーヒーチェーンなども注文から決済までアプリで完全に終了する斬新な店舗が見られ、予めアプリで注文したコーヒーなどの商品を受け取りに来店し、スマフォで決済するという先進的な流れを構築している。
レジ担当はおらず、スタッフは調理し、カウンターに並べるといった作業が主となる。
恐らく今後はこの方式が世界中で主流となるのではないだろうか?
しかし、中国向けの決済手段は外国人に提供されていない場合が多く、非常に難易度が高い。今後は外国人観光客は中国では現金使用可となっている店舗を探すハメになりそうな勢いである。
これだけキャッシュレスが進むとATMなどに対する需要が他国と比較して圧倒的に変化する事になりそうであり、キャッシュレスの先進国として多くの注目が集まる。
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