国際都市Kuala Lumpur
物価も経済力も非常に高いシンガポールと比較し、マレーシアの物価は格安であるが、現在の都市発展度、潜在的経済力から見てもマレーシアの物価は今後上昇し、シンガポールとの物価の差は縮小されるだろう。
現在外国人観光客は宿泊時に一泊あたり10リンギットの観光税の支払いが必要であり、今後日本でも観光需要が集中する地域ではオーバーキャパシティーを防ぐため、観光税導入検討も議論されている。
個人的には観光税の金額は全く気にならないが、カード決済完了済みの宿泊予約でもチェックイン時に現金を毎回用意する点が若干面倒だと感じる。
SuperSaaS予約システムは予約画面においてはマレーシア語の提供を開始しており、実際に世界中のSuperSaaS利用国の中でもマレーシア企業ユーザーが急速に増えており、特にASEAN域内のSuperSaaSユーザーでは断トツに導入企業数が増加している。
管理画面についてはまだマレー語には対応していないが、ほとんどのマレーシア人は英語が可能な為、導入企業数が急増している背景とも言える。
ちなみにペトロナスツインタワーは日本企業と韓国企業が左右タワーのそれぞれの建設を担当した。
下記マレーシア語予約画面 DEMO
マレーシア経済
マレーシア経済において、財閥グループは他東南アジア同様圧倒的シェアを誇る。その中でも政府系ファンドのKhazanah Nasional Berhadは、マレーシア自動車市場で圧倒的シェアを持つ国産メーカープロトン、マレーシア航空、電力供給管理のTenaga Nasional Berhadなど、多くの巨大企業に出資しており、マレーシア経済を語る上で不可欠の存在となっている。
クアラルンプールの交通の要であるKLセントラル
近い将来先進国入りが予想される東南アジアのタイとマレーシアをベトナムが凄まじい経済成長速度で猛追しているが、マレーシアもその進化が早い。
東南アジアでシンガポール、ブルネイに次いで高い一人当たりGDPを誇り、タイと並んでハブ空港を有し、多様な地域からの訪問者数を長年維持している。
クアラルンプールとバンコクに訪問すればその滞在者の民族、国の多様性にまず驚くだろう。
何と言っても地域に限らずマレーシア全土で確実に英語が通じる点は訪問者にとっては途轍もない安心感であり、マレーシア経済成長に大きく寄与している。
クアラルンプールの発展度だけで言えば既に先進国の主要都市と何ら劣っている点はなく、寧ろクアラルンプールの都市環境、競争力は既に世界屈指の水準に達していると感じ、特に交通インフラの完成度は極めて高く、シンガポールを除いて他東南アジア諸国を圧倒している。
マレーシアのメレッカは港湾都市として栄え、ポルトガル様式の建築物が美しく、多くの観光客で賑わっており、メディカルツーリズム市場にも力を入れており、今後更に海外からの人間ドッグ含めた医療需要拡大が予想される。
医療のような高度産業への注力はＧＤＰの底上げのみならず、優秀な人材の海外への流出を防ぐ目的もあり、今後も成長産業として多くの投資が流入するだろう。
一般的に医療は国の生活インフラの根幹をなすため、外資の参入には厳しい医療規制が設けられる傾向があるため、海外進出においては現地医療法人との合弁などの形式がとられ、今後も優れた医療技術を持つ日本の医療メーカー、病院のアジア進出が増加しそうだ。
またマレーシアはロングステイビザのMM2H,タイはリタイアメントビザを提供しているため、介護市場の整備やシニア向けの健康産業などの需要が高まることが予想される。
行政都市 プトラジャヤ
マレーシアにおける華人系コングロマリットが誇る圧倒的経済力
写真 サラワク州 華人街
ASEAN諸国での華人の割合はアバウトに考えれば、シンガポール7割、マレーシア2割、タイ1割、インドネシア数パーセント、例外とすればフィリピンのスペイン系財閥が挙げられるが、各国の経済シェアの多くはこの華人が占めている。
元々中国南部の広東省、海南、福建などかアジアへの移住者がASEANの財閥の始祖となっており、マレーシアなどの華人系マレーシア人は北京語に加え、大体が家族のルーツである福建語や広東語などを話す事が出来る。
その為、華人系マレーシアは実際のところ、英語、北京語、マレー語に加え、こうした家族のルーツ系列の中国語も話す事が可能という、とてつもない多言語能力を持っている。
マレーシアのタイクーンではKuok Groupを率いるアジアの砂糖王と呼ばれるロバート・クオック氏が挙げられる。
ジョホールバルに生まれ、製糖事業で財を成し、その後中国進出を見据え香港に拠点を移し、香港でのシャングリラホテルグループ及び嘉里建設有限公司を設立
マレーシア、香港、シンガポールにそれぞれの持株会者を擁し、小売、エネルギー、ホテル、プランテーション、物流他詳細を把握しきれないほどの超多角化事業を展開しているアジアを代表する華人系コングロマリットである。
加えて、マレーシアの観光開発公社の社長でもあり、世界中のシャングリラホテルなどを通じてマレーシアへの集客に多大な貢献をした。また、世界最大規模のプロパティ開発であるジョホールバルのイスカンダル計画でも当然同グループは中核を為す存在である。
優れた交通インフラを擁するマレーシア
クアラルンプール国際空港は市内中心部と空港をつなぐ高速鉄道を提供しており、30分前後で行き来が可能であるが、窓口でのチケット購入に加え、オンラインで購入しＱＲコードを改札にかざせばチケットレスで列車の利用も可能になっており利便性も常に改善されている。
通常窓口もそんなに混まないので特に不便な点はないですが、オンラインでキャッシュレス決済可能な点、及び割引が得られるのであれば今後は利用者は爆発的に増加するだろう。
更に空港とＫＬセントラルを繋ぐシャトルバスは豪華なリムジンバスにも関わらず費用はわずか300円足らずの異常なコストパフォーマンスを提供しており、運行数も多く、先進国を圧倒的に凌ぐ空港、市内移動を提供。
マレーシアは空港周辺地域にMRO産業、空港貨物などの物流整備、加えてMICEなどのレジャー、ビジネス需要に対応し更なる海外投資を呼び込むためAEROPOLISプロジェクトを進めている。
驚異的な早さで成長するアジア諸国において電子商取引、オンラインショッピング市場は一大成長市場になるのが確実であり、主要都市部中心ではオンラインでのオーダーによる食料品のバイク便配達が活況し、街中至る所、特にオフィス街ではフードデリバリーのバイク便を目にする機会が非常に多い。
こうした点を支えるには物流の整備が重要であり、マレーシアは港湾、航空、陸路と物流の整備をに急速に進めている。
クアラルンプールから約40kmほどに位置するクラン港は工業地帯に隣接し、整備された陸路輸送と連携し、アジアの海上輸送において重要な役割をこなしている。
またシンガポール港に対抗するジョホール州タンジュンペラパス港も着実に成長しており、陸海空のマレーシアの物流網の充実も海外企業誘致の大きな材料になっている。
アジア諸国の経済成長により、個人所得も伸び、製品に対するニーズも多様化しています。
当然製品供給の要である物流も多様化し、高度な技術、事業経験が必要となっており、物流技術が極めて高度化している日本市場で豊富な経験と知識を持つ日本の物流企業のアジア進出が今後より加速しそうだ。
巨大ハブ空港 KLIA
クアラルンプールのKLIAは日本の建築家黒川氏によるデザインによるもの
アジアではチャンギ、仁川、羽田などが世界の空港ランキングで長年上位に位置する最高評価を得ている空港であるが、KLIAもその機能性の高さ、空港運営の効率性から見ても上位にランクする実力を十分に持っている。
世界ナンバーワンの座を長年維持し続けるシンガポールのチャンギ国際空港は超大型ショッピング、エンターテイメント施設ジュエルをオープンし、空港競争力を更に増しており、今後同施設目当てでも圧倒的な集客が見込まれる。トランジット利用者向けの市内ツアーも非常に人気があり、参加出来た場合はラッキーな例だろう。
クアラルンプール国際空港も空港内に多様な店舗を有し、ショッピングモールとしての機能も有しているため、今後は集客力に勝るハブ空港の更なる巨大化、ショッピングモール化が進み、将来的には市内へ向かわずに空港内で観光、ショッピングが完結する可能性もあり得る。
クアラルンプール国際空港もチャンギ国際空港もあれだけの集客力を誇りながら出入国手続きが効率的であり、長蛇の列が発生しづらい環境を提供している点は本当に評価に値するとと常感じる。
一方、同じくハブ空港を擁するバンコクはスワンナプーム、ドンムアン空港共に、空港のインフラが増加する空港需要に追いついていない感もあり、アクセス面、入国手続き他改善の余地が多くある。
入国手続きが厳格化する度にイミグレの手続きも時間がかかる様になり、効率性の面でKuala Lumpurとシンガポールの両ハブ空港に大きく劣ってきている点は否めない。
アジアを代表するLCCであるAiaAsiaはマレーシアを代表するコングロマリットのTUNEグループ企業の一つであり、他グループ企業にはホテルチェーンのTUNE含め多様な事業を展開している。
Gunting Group
同じくマレーシアのコングロマリットであり、カジノ運営で知られるGenting Groupはグンティンハイランドでのカジノ運営に加えて、香港でのホテル、レジャー産業、シンガポールでのカジノ運営などカジノ運営で多国籍展開している。日本でもカジノ誘致構想が進展している中、同グループも日本市場への進出の可能性が考えられるだろう。
日本のカジノ構想はシンガポール同様のIR型を目指すため、マレーシアのGunting Groupはシンガポール含め複数国でのカジノ運営実績を活かし、日本でのカジノ運営受託では高い競争性を誇る。
多数の大規模開発プロジェクト
現在ジョホールのイスカンダル計画が有名ですが、クアラルンプールもいくつものプロジェクトを計画しており、現在も巨大建築物が至るところで建設が実施。
その中でもバンダールマレーシア計画はシンガポールとクアラルンプールを結ぶ高速鉄道計画を盛り込んでおり、更に国際金融特区、電子貿易特区構想他クアラルンプールが世界最高峰都市になる計画が着々と進んでいる。
マレーシアを代表するコングロマリットの一つ Sunwayグループ
また政府は産業の高度化を図っており、その中でもメディカルツーリズムは今後大きく成長する一大産業となりそうだ。
タイと並んで医療水準の高さには定評があるマレーシアは、英語、中国語、マレー語、など他言語対応可能な絶対的強みをもつ。
マレーシアの中華系の人々は北京語はもちろん、家系のルーツによってはその他にも広東語、福建語他多様な言語を話せる人が多く、巨大な中国市場に対してメディカルツーリズムをPR可能であり、更にマレー語はインドネシア市場へ、英語はインド市場など、世界の半分近い人口圏から医療需要を得ることが可能だ。
医療水準が極めて高く、メディカルツーリズム市場で存在感を増すマレーシアの最大手の医療グループのIHH Healthcare Berhadの株主には三井物産が挙げられ、同社はインド、インドネシア、ベトナム、マレーシアで医療グループを経営しているColumbia Asia Groupにも出資し、更に米国の透析事業会社DaVita Healthcare Partners、マレーシア政府系投資会社と共にアジアの透析事業へ参画しており、アジアでのヘルスケア市場で存在感を高めている。
Columbia Asia Hospital
三井物産も出資しており、インドネシア、マレーシア、ベトナムなどに多くの医院を展開しているアジアを代表する医療グループ
ハラル市場のゲートウェイとして注目されるマレーシア
世界16億以上とも言われる膨大な人口を誇るイスラム市場が注目を集めており、ハラル認証に対応した飲食店が日本国内でも増えているが、ハラル製品の生産、供給面では、各国で異なる認証制度など、取得のハードルは決して低くない状況の中、マレーシアは原材料の調達から生産、物流までをハラル認証制度に適合する様に規格化し、認証基準が厳格なマレーシアで認証を得ることにより巨大イスラム市場にアクセスが可能とするべく、ハラル市場ハブとしての構想を進めており、ハラールパークと呼ばれる産業特区を各地に設置。
ハラル市場は食品のみに限らず化粧品ほか多様に製品が存在するため、世界のイスラム市場のゲートウェイとしてマレーシアに海外企業が多く集積する土台で構築されている。
インドネシアだけでも2億人以上のイスラム市場であるため、距離的に非常に近く、3千万を超える人口の多くがイスラム教であるマレーシアとインドネシア市場両市場に進出できる可能性が高まる。
マレーシアの各港湾近くの産業特区で生産を行い、各拠点の港湾から世界のイスラム市場へ製品を輸出出来る流れが構築されており、ハラール製品の見本市の開催他、今後マレーシアにて更に多くの企業によるハラル産業のクラスターが形成されるだろう。
既存のマレーシアの主要港湾でも既に膨大なコンテナ取扱量を扱っており、アジアにおける港湾競争でもその存在感を急速にましている中、MELEKAには東南アジア最大規模の港湾開発プロジェクトも実施されており、ハブポートとして絶対的地位を長年保持しているシンガポール港との競争関連性がどうなるか注目だ。
TRX City プロジェクト
国際金融地区のTRXプロジェクトはKLで実施されている巨大プロジェクトの中でも大きな注目を集めており、完成後は地域周辺の不動産価値に大きな影響をもたらすことが予想される。
やはりKL中心部のKLCC周辺の地域価値は今後も変わらず高い価値を誇るだろう。
今後の発展が期待されるボルネオ島
天然ガス、木材他豊富な天然資源を誇る同地域から日本は多くの資源を輸入しており、緊密な関係が続いている。
サラワク州首都クチン
人口60万人を誇るクチンは強い自治権を持ち、マレーシア国民であっても入出国手続きが必要、もちろん外国人はパスポートチェックが必要となる。
市内中心部を流れる川沿い街が発展し、夜にウォーターフロントゾーンに多様な店舗が密集し、多くの人で賑わう。また市内中心部から約3キロほどには東南アジア都市でも日本同様圧倒的知名度、集客力を誇るイオンが進出し、同地区では多くの人が集う最大規模のショッピングセンターとなっている。
マレーシアのサラワク州はマレー人と華人がほとんどであり、他マレーシア都市の様にインド系は全く見かけず、またイスラム教徒が多い地域でもある。
海外のリタイアメント層が多く移住するのはマレーシアのペナン島内のガーニーフィールドが挙げられ、クアラルンプールとの距離も近く、ビーチや豊かな自然環境が人気の要因だ。
都市環境ではサラワク州も素晴らしいため、今後MM2H取得者層の間でも同州の人気が高まる事が予想される。
ボルネオ島がもつ高いポテンシャル
今後ボルネオ島は要注目の大経済圏になる可能性を秘めている。
インドネシアのジャカルタは過剰な人口密度、自動車、バイク数の多さによる環境汚染と深刻な渋滞に以前から直面しており、また市の地盤沈下の懸念もあることから、マレーシア、ブルネイ、インドネシアの三国で構成されるボルネオ島、別名カリマンタン島に首都を移転する計画が持ち上がっており、計画が実行されれば同地域に膨大な経済波及効果、例として
首都移転に伴う空港設備の拡大、人、資本の流入他膨大なエネルギー需要の発生が見込まれ、豊富な水力発電を誇るサラワク州などは余剰エネルギーの販売他多様なビジネス機会が発生しそうだ。
サラワク州の発電事業は、政府系企業であるSarawak Energeyが提供しており、主要な水力発電に加え火力発電、再生可能エネルギーなどエネルギーの多様化も進んでいる。
ボルネオ島は陸続きで各都市が位置し、また日本に対する天然ガス供給の大口取引先である資源大国ブルネイも存在するため、各地域でエネルギー供給の連携が今後より発展しそうだ。
インドネシアの首都移転の可能性も含め、豊富な天然資源、3国で構成される多様性、ムスリム人口が多く今後市場拡大が予想されるハラル市場、コタキナバルの圧倒的生物多様性、日本から距離的に近いなど多くの経済成長を達成するポテンシャルがある。
サラワク州の首都クチンは市内中心部は非常にコンパクトであり、物価も安く、徒歩で生活、観光が出来る非常に利便性の高い都市である。
また欧米観光客が多く訪れていますが、団体観光客をほとんど見かけず、市内の人口密度も高く、東南アジアの人気観光都市の様な人でゴッタ返すという状況がない。
マレーシアの他都市同様に市内中心部以外は車での生活が基本であり、郊外にはAEONを含む大型ショッピングモールがいくつも存在し、郊外型に都市が発展している。
クチン市内中心部 テナント募集の掲示が非常に多く目につく
その為、市内中心部のショッピングモール内は超一等地にも関わらずテナントの流出が相次ぎ、テナント募集の看板が溢れており、若干寂れてきている。
しかし、サラワク川に面したウォーターフロント至近の市内中心部の価値は安定だと予想できる。
クチン ウォーターフロント
理由として将来において、他先進国主要都市で見られる様な都心回帰現象が発生する確率は極めて高く、クチン市内中心部の不動産価値は需要が集中しそうだ。
クチンの街並みは世界的評価の高いラオスのルアンパバーンをより都市化した印象があり、他国との直行便がほとんどなく、経由便が主になるにも関わらず欧米観光客が多く訪問するのはクチンが持つ極めて優れた都市環境によるものだと感じる。
ラブアン法人
ボルネオ島の北部にはラブアン島が位置し、金融特別区や法人設立要件の緩和など、国内外から多くの投資を惹きつける特区として注目されています。
ボルネオ島は超人気観光都市、および同地域のゲートウェイであるコタキナバルを北東部に擁する。
圧倒的な生物多様性、豊かな地下資源を維持するための持続的自然環境の達成が掲げられており、観光客に対してはエコツアーなどボルネオの自然保護の意識を高めるプログラムが多く実施されている。
ボルネオ島は言語的にもマレー語、インドネシア語という極めて類似性の高い言語が同地域で使用されるため、各種経済連携も全く問題がなく、今後要注目の巨大経済圏が誕生しそううだ。サラワク州はその豊富な水資源を活かし水力発電で発電を可能にしているが、ボルネオ東部では電力不足に直面しており、経済発展のためダム建設などの発電所の構想が実施されてきたが、豊かな自然環境を誇るボルネオにおいて、発電所建設がもたらす自然環境への悪影響も懸念されるため、持続可能性のある電力解決策が模索されている。
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