Global Terminal Operatorsの海外展開戦略

各国間の都市間競争が激化している現代において、各国は空港の拡張などインフラへ大規模な投資を実施し、競争力を高めている。

港湾も同様であり、各国、各地域の港湾間において熾烈な競争が展開されており、航空輸送が増加している現代においても、海上輸送が主である事は今後も変わらないだろう。

世界の海運業界では主要企業同士の合併や M & A などによる集約化が加速しており、競争が激化している。

日本では日本郵船、商船三井、川崎汽船といった日本を代表する海運企業が財閥系、非財閥系の枠を超え、ONEを設立し、シンガポールに本社を置いている。

これだけの主要企業同士が新会社を設立する事からも、世界の港湾業界の競争が増していることが実感できる。

写真 香港

コンテナの標準化を機に、ガントリークレーンなどを擁した港湾作業の機械化が進み、更に船舶の大型化に伴い、深水港の整備、そして物流の多様化に対応出来る様、効率的かつ迅速な積み替え作業など多様な条件を満たす必要がある。

地理的優位性、天然港としての条件に加え、港湾の管理などソフト、ハード両面において常に競争力を保たなければ他近隣港湾にその座を奪われることとなり得る。

香港、シンガポールなどは、アジアおよび世界規模でも非常に強い経済力を持ち、国際金融都市として知られているが、港湾が経済において占める割合も非常に高く、世界のコンテナ取扱量ランクにおいても香港、シンガポールの両港は常に上位に位置している。

現在港湾の存在感を増しているのがマレーシアであり、その中でもポートクラン、及びタンジュンペラパス港だ。

マレーシア政府はシンガポール港湾に対抗し、巨額の資本を投じて港湾の競争力を急速に増加させているため、シンガポール港でも常に安泰な訳ではないほど、熾烈な競争が展開されている。

その他アジアの港湾では韓国では光陽、釜山港湾が韓国政府の国策の元、成長を続け長年コンテナ取扱量で世界上位にランクしており、また台湾の高雄も同様に高い競争力を誇る。

そして中国は深セン、広州、上海、アモイ、青島、など沿岸部の港湾でのコンテナ取扱量規模は世界最大級であり、港湾の自動化においても世界の先端を走っている。

深センがここまでの経済発展を遂げた背景、及び経済特区に指定された理由として、香港に隣接する事に加え、深セン自体も大型港を複数存在する事も起因する。

中国を代表する港湾事業者は国営企業である中国遠洋海運集団と招商局集団であり、ミャンマー 、パキスタン、スリランカ、ギリシャなど世界の主要な位置にある港湾へも巨額の資本を投じて港湾運営に資本関与している。


港湾の役割として製品の輸出、原材料の輸入などを主目的とする港湾の他に、シンガポール、釜山などのコンテナの積替などの中継地として利用されるケースが主な港湾、そして中東諸国の資源国であれば石油や天然ガス輸出用の港湾などにそのタイプが分けれらる。

必要とされる港湾の役割によってその設置箇所が分けれら、製造業などの輸出入が主目的であれば迅速な物流が可能な大都市後背部が適し、資源輸出であれば都市圏の位置を考慮する必要は薄い。

ターミナルオペレーター企業間でのM&Aや統合も多く実施されており、シンガポールのPSAやドバイのDPWは海外の港湾事業企業の買収や統合などを通じ、積極的に海外展開をしている。


世界の主要なGlobal Terminal Operators

主要な世界規模で事業展開している港湾専業オペレーター企業としてはシンガポールのPSA、香港のHPH、ドバイのDPWなどが挙げられる。

港湾事業の中でも政府が港湾のインフラ整備、運営まで直轄する場合や、港湾事業者がインフラ設備付きの港湾を自治体から賃借し、運営を実施する場合、そして香港の様に事業者が設備の建設から運営まで行うBOT方式など多様化している。


Dubia DPW

HongKong  Hutchison Ports Holdings

香港を代表するコングロマリットハチソン グループの港湾事業運営グループ

Singapore   PSA

シンガポールは中継港として多様な国々の船舶が往来し、シンガポールで積み替えが行われ、目的地へ輸送される。

PSAの設立はシンガポール投資公社のTemasekの出資によるもの

その卓越した港湾運営のノウハウを活かし、多くの海外港湾での運営も展開している。

台湾 臺灣港務股份有限公司

写真 高雄

製造業、電子産業が主要産業でもある台湾にとって、海上物流の根幹を担う港湾は極めて重要な生命線である。

台湾最大港は南部の高雄であり、政府系臺灣港務股份有限公司が台湾全土での港湾事業を行う。港湾に隣接する地域は倉庫産業も発展するが、高雄では旧倉庫街を芸術特区として改装した駁二芸術特区が観光名所として賑わっている。

ちなみにEver Airで有名な長栄航空はコンテナ製造、海運、ホテル運営など事業の多角化を行っている長栄グループ内企業である。

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