ラストフロンティアとして注目を集めるミャンマー

写真 凄まじい速度で成長する都市 ヤンゴン中心部

長期間の軍事政権からの総選挙を経て、民主化及び市場開放路線への移行開始を機に、経済制裁の段階的な解除など海外資本が流入する環境整備が急速に進み、世界中から最後のフロンティアとして注目を集めているミャンマー。

ベトナムはドイモイ政策を機に、深センは経済特区としての指定、ミャンマーは民主化路線への移行など、経済が劇的に変化するタイミングは開放路線に向かう時である。

民主化路線への移行による通貨に対する信用度上昇は預金市場の拡大へ、そして金融市場がより整備される事によって、クレジットカードなどの決済方法の多様化、ローンの普及、企業への融資の増加、そして証券市場の整備によるクロスボーダーM&Aの活性化など、ミャンマーの今後の更なる金融市場の整備によって市場流通する資本がより急激に拡大し、更に経済成長を後押しする事が予想される。

インド、中国といった世界最大の人口を誇る両国に面し、更にASEANの製造業の中心としても圧倒的存在感を維持し続けるタイとも隣接、更にASEAN経済回廊の西側拠点であるなどその抜群の地理性からも世界各国が続々と投資を通じミャンマーとの関係性の構築を図っている。

そうした状況の中、日本、韓国は観光ビザの免除が期間限定で提供されるなど、ミャンマー政府との良好な関係性が伺える。

ヤンゴン市内はSAMSUNGの看板を非常に良く見かけるし、韓国人観光客の数も非常に多い、また北部では中国資本の存在感が高く、各国がミャンマーの成長に大きな期待を寄せている事が伺える。

ミャンマー政府も観光市場に目を向け始めており、欧州各国をはじめとして多くの国に対してアライバルビザの提供他観光市場の拡大路線に舵を切っている。

現在でも既にヤンゴン市内中心部には海外資本の洗練されたカフェなど多くの店舗が進出しているが、今後は、タイやベトナム他圧倒的な欧米観光客で賑わうASEAN諸国同様に、ミャンマーへも海外観光客が押し寄せる事が確実視され、更なる経済発展が予想される。

人口は5000万人を超え、若年層が多く、更にイギリス植民地時代の影響もあり、英語を話せる人口が非常に多い事もミャンマーへ莫大な資本が流入し、今後飛躍的に経済成長を遂げる事が可能な大きな理由でもある。

イギリスはミャンマーと陸続きであるインドを介したミャンマーの間接統治を実施していた歴史があり、ヤンゴン市内などでは非常に多くのインド系ミャンマー人を見かけ、人種構成においてもインドにルーツを持つミャンマー人も多い。

また、天然資源が豊富であり、原材料の供給地として及び、インド東部の安全保障の観点からもミャンマーはイギリスに重要視された歴史的経緯を持つ。

隣国タイでは、天然ガスの供給、及び若年労働者の確保先として、ミャンマーは非常に重要な存在であり、タイ西部に位置するダウエイ港を開発する権利の獲得など、その重要性が窺い知れる。

ミャンマーにとって、天然ガスをはじめとした資源の輸出は外貨獲得の重要手段であるが、産業の高度化に伴う国内でのエネルギー需要の増加は不可避でもある。

工業団地、深水港の整備など外国企業誘致のインフラ整備も進んでおり、今後ティラワ港やダウェー港などの港湾の整備、物流などのサプライチェーンがより改善され、更に多くの海外企業が進出する事が予想される。

特に外国産中古車の規制緩和以降、日本産中古車の流入が加速し、現地での日本の中古車の人気は高く、街中で日本の中古車が見られ、モータリゼーションの本格的到来を予感させる。

中古自動車の輸出量の増加は、既に国内市場が飽和状態にある日本の自動車関連事業にとって自動車関連パーツの輸出増など多様な経済波及効果が見込める。

写真 AGD BANKはミャンマーの主要財閥の一つ HTOO Group傘下銀行

ミャンマーではトヨタの中古車を非常に多く見かけるが、例として、カローラフィールダーやカルディナといったステーションワゴンがタクシー車両として多く利用されている事が多く、各運転手はスマートフォンのカーナビを利用しているが、車内には日本の純正カーナビゲーションシステムがそのまま搭載されている場合が非常に多い。

経済成長を通した個人所得の上昇を機に、自動車市場の活性化、通信業界ではスマートフォンの普及率の拡大、家電業界ではテレビなどの白物家電の購買層の増加、不動産では住宅のローン購入、そして小売及び金融市場がより開放されればカードなどの決済手段の多様化が小売市場を更に発展させる事が予想される。

そして鉄道、港湾、道路整備などのインフラ整備など爆発的な経済成長を実現する潜在的条件が整っており、各国への対外債務の増加など懸念はあるものの、ミャンマーが持つポテンシャルは極めて高く、その勤勉な国民性からも、ベトナムに次いで次の中進国入りが期待される。

市内の渋滞は相当に深刻であるヤンゴン

個人的な感想としてミャンマーの交通インフラ自体は、予想より遥かに進んでいて、良い意味で驚いた。

フィリピンなどと比較した場合、歩道の整備が進んでおり、徒歩での市内散策が可能であり、更にベトナムほど交通量が多いわけではないので、道路の横断もさほど大きなストレスとはならない。

しかし一方で、他東南アジア都市同様に渋滞が深刻化しており、移動に時間がかかる点が難点だ。市内で多く運行しているバスの乗車率も極めて高く、交通インフラの需要が供給に対してまだ未整備である事を強く伺わせる。


エネルギー問題

急速な経済発展による電力需要の高まりが供給を遥かに超えており、慢性的な電力不足が経済成長の足かせとなる懸念も存在する。

ミャンマーでは雨季と乾季の差が明確に分かれており、雨季はひたすらに雨が続くが、一方乾季はひたすら晴れるため、乾季における電力需給の面から考え、水力発電のみにエネルギー供給を依存するのはリスクが高い。

豊富な天然ガス生産を活かした火力発電及び水力発電が主なエネルギー生産手段であるが、今後は再生可能エネルギーを含め、エネルギーの多様化及び高効率及び環境負荷の少ない火力発電所の建設などがより必要となるだろう。


ミャンマー経済と宝石市場

ミャンマーのタイクーンとしては銀行を中核事業として、エネルギー、不動産、建設他多様な事業を行っているKBZグループやMGMグループ、そして国防省運営のMECグループ、ヤンゴンマラソンのスポンサーでもあるYOMAグループ他、ミャンマー国内で圧倒的経済規模を誇るタイクーンが多く存在する。

ミャンマー財閥の特徴として、他国の財閥でも多く見られるビール、飲料などの一般消費事業、不動産、建設、ホテルなどの開発事業、発電所などのエネルギーインフラ事業に加え、宝石採掘事業がグループ内において組み込まれている財閥の存在が挙げられる。

ミャンマーといえば豊富な天然ガスの産出量と共に、ルビー、サファイア、翡翠他宝石の最大産出地として知られ、宝石の購入には、証明書が発行さる政府認定の店で購入する必要がある。

ミャンマーの国産資源として重要な鉱物資源開発は当然政府との密接な関わりが不可欠であるため、政権と繋がりが強い財閥企業のポートフォリオに宝石採掘事業が見られる光景となっている。


経済特区

多くの日本企業が経済特区、工業団地へ現地拠点を開設しており、日本人他海外駐在員の数も多く、現地資本企業との提携により大規模な住宅地開発などのプロジェクトが各地で進行している。

進出企業数の増加と共に、現地コンサルティング、法人設立、会計サービス、レンタルオフィスなどの関連ビジネス市場の活性化が予想され、駐在員向けのサービスアパートメントの需要なども増加するだろう。

以前は急速な経済発展に対してオフィス、ホテルなどの需要が圧倒的に不足しており、ヤンゴンの賃料は東南アジアで最も高い水準、例としてシンガポールと並ぶほどの高額となり、現地進出企業の大きな障害となっていた様であるが、近年は供給量も増え、賃料も徐々に落ち着きを見せているようだ。

ホテル価格も現在はヤンゴンの中心部ダウンタウンにも中国資本のホテルなど供給も多く、ホテル価格においては他東南アジア諸国と比較して割高感は特になく、適切であると感じる。


ミャンマーの財閥

写真 ヤンゴン市内中心部 Junction City Center などの主要ショッピングモールが位置する

Shwe Taung group   Junction City Center他多様な事業を手掛けるコングロマリット

世界の格闘技市場で存在感を増すミャンマーの選手

ミャンマーには素手に加え頭突きなども可能なルールで行うキックボクシングとも言える国技のラウェイが存在し、世界中から選手が集まっている。

アジア最大の格闘技イベントのONEにおいてもミャンマーからチャンピオンを輩出するなど、今後世界の格闘技市場においてミャンマーの選手が存在感を増す可能性も高いだろう。

ヤンゴン市内中心部は外資系、地元資本を含め、非常に多くのジムが乱立しており、ジムの密集度はアジアでも屈指の高さだと言え、地元の人で賑わうその光景はミャンマーにおける健康関連市場の成長ぶりを伺わせる。


ヤンゴン国際空港

驚くほど近代的かつ効率の良い空港運営が提供されているヤンゴン国際空港

市内中心部からタクシーで空いていれば30分ほどで到着可能、早朝でも多くの利用者で賑わう空港はミャンマー経済の活況が伺える。

民主化、市場開放路線を機に今後更に劇的な需要増加が見込まれるのがミャンマーへの国際便の就航数である。現在は他国との直行線の数量が未だ多くなく、ほとんどがクアラルンプール又はバンコク経由であるが、今後空港の拡張などによりベトナムの様に直行便の海外就航路線数が増加すれば更に訪問者が激増するだろう。


Asia World Group はヤンゴン 国際空港、ヤンゴン港の建設を手掛けるコングロマリット

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