世界市場における日本の主要企業集団と経済

財閥と言うと圧倒的経済規模を誇る韓国の財閥が思い浮かぶ例も多いと思うが、日本の財閥系、非財閥系を含め巨大企業集団もとてつもない経済規模を誇り、世界各地においてもその存在感を高めている。

アジア、ASEAN諸国の現地財閥との提携も非常に多く見られ、国内、海外問わず、経済においてこうした主要企業集団を理解する事は極めて重要だと言える。

日本の主要財閥のルーツは古く、三菱は造船、三井は江戸時代からの呉服屋、住友は鉱山に事業の起源を持ち、当時の財閥間に共通していることは、現在の様にグループ内企業で超多角化している訳ではなく、各事業の専業であったことが挙げられる。

財閥は戦前、それも江戸時代から既に経済力を誇ってきた例もあるが、多くが明治時代に急速に力をつけた。

明治時代に現在の日本を代表する財閥が圧倒的財政基盤を築いた背景には、戦争特需と国営企業の払い下げが大きな起点となり、高度経済成長時代において政府との密接関係を基盤に財閥の規模を拡大した。

明治時代になると富国強兵、近代化政策に伴い、国家の根幹を担う産業が国営で実施されたが、インフレや国営企業の財政悪化に伴い、造船、鉱山、酒造、ガラスなどの企業の払い下げが実施され、譲り受けた企業は財閥としての基礎を固めることになった。

三菱は長崎造船の払い下げを受け、造船事業にも進出、また海運には保険が関連しているため、保険、金融業にも進出を遂げた。

その後、西南戦争、日清戦争、日露戦争の勃発により、石炭、海運、造船、鉄、銅、化学などの多様な産業製品への需要が急拡大し、政府へ物資を供給する財閥は重工業化が進んだ。

更に財閥の拡大を決定的にした背景として、欧州での第一次世界大戦の勃発により、イギリスと同盟国であった日本への軍事品の注文が集中することになった。

日本は欧州国家と比べれば水準は落ちるが、既に当時ある程度の重工業産業の技術を擁しており、欧州諸国への輸出によって、好景気となり電力、重工業が飛躍的に発展した。

世界大戦前には莫大な債務で苦しんでいた日本財政は大きく回復し、海外からの軍需品需要増加は各財閥の商社設立の背景ともなり、日本経済、特に主要財閥は圧倒的な富を蓄積し、日本経済の中枢を担う存在に成長を遂げた。


昭和恐慌

明治時代に財を成した財閥も第一次大戦の終結による軍需の減少、更に関東大震災、昭和恐慌などが重なり、他財閥に吸収されるケースなど統廃合が進んだ。

金融恐慌により、体力のない銀行の預金が預金取り付け騒ぎによって、その他の主要銀行へ資本が集約されることとなり、主要銀行は強大な財政基盤を築くきっかけとなった。

大戦後は、軍需品の需要が激減し、各財閥系列の商社は経営に行き詰まり、財閥本体の財政状況も揺らぐ事態となった。

また、財閥企業が圧倒的に経済力を蓄積するにつれ、一般社会や、政府内からも財閥への批判が相次ぎ、財閥は参加企業の株式公開化や創業者一族の経営からの離脱などが実施され、それに代わり政府と密に関係を構築した新興財閥が台頭した。


第二次世界大戦

1942年には、第二次世界大戦により、主要企業集団の重工業化が更に進み、軍需の拡大とともに経済基盤もより強固となり、事業の多角化が進展、潜望鏡の開発などのため三菱グループによりNIKONが設立され、軍需用品の開発に注力した。


解体そして、再結集

GHQの財閥解体の主要目的は軍需産業に直結する重工業における資本集中であったため、重工業で組成される財閥は金融系財閥より厳格に制限が実施された。

しかし、朝鮮戦争勃発により、米国は旧財閥企業へ戦争資材の発注を行い、財閥は戦争特需を受け再結集され、その後商号復活、持株会社禁止法の解禁などを経て、グループ内の銀行を主軸に多様な企業へ融資を実行し、各財閥系列会社が多角化、巨大企業集団へと成長を遂げた。


総合商社

1973年の石油危機は日本を含め、資源輸入国にとって資源の多様化の重要性が認識される極めて大きな転機となり、世界のエネルギー資源取引を行ってきた日本を代表する総合商社も生産地域の多様化へと舵を切った。

世界最大の銅生産国はチリであり、世界で生産される銅の半分は電線などとして使用するために中国へ集められる。また、鉄鉱石の最大消費国である中国の景気動向は世界の資源国へ多大な影響を与える様になっている。

資源取引は商社の売り上げに莫大な貢献をする一方、資源価格の下落によるリスクも高く、非資源取引をポートフォリオに組み込む割合を増やすなど総合商社の事業内容は更に多角化している。


三菱

長崎造船所が三菱造船所に改名され、海運業を起点として産業、例として海運保険、銀行、船舶修理など三菱の中核を成す事業の多くが海運業に由来している。また、石炭需要の高まりから鉄道事業へも投資し、三菱の多角化が進んだ。

東京海上日動、日本郵船、キリン、ニコン、AGC他

丸の内、大手町は主要地盤である。

三菱商事はフィリピンのコングロマリットAyalaと共にマニラウォータープロジェクトに参画


三井

日本橋の呉服屋に起源を持つ、三井財閥は繊維部門では東レ、保険では三井住友海上、鉱山からは三井化学が誕生した。ディズニーランド運営の東京オリエンタルランドの親会社は三井不動産であり、東芝を擁する三井グループは日本橋が地盤である。

また日本最初の銀行を設立したのは三井である。

サッポロビール、三越伊勢丹他


三井物産は資源以外の産業への進出として、IHHヘルスケアへの出資を通じまず今後急速な市場拡大が予想されるアジア圏の医療分野へ進出  


住友

住友の発展の起点となったのは別子銅鉱山であり、一時は政府からの銅山の差し押さえの解除の危機にも直面している。

住友重化学工業、住友林業などが資源産業に由来しており、大阪の中心部である淀屋橋は住友関連企業が連なる住友の地盤である。




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