アジアのインフラ受注競争 オンライン予約システムを多国籍企業に活用

ASEAN諸国への事業展開を考慮する際に、各国で圧倒的な経済シェアを誇る巨大コングロマリット、財閥の理解は不可欠である。

また、そうしたコングロマリットや政府と連携し、世界各地で事業展開を行なっている日本を代表する商社の動向を追う事も同様に重要だ。

日本の商社は資源、食料などの貿易仲介から転換し、現在は企業投資、資源生産地の権益取得含め、エネルギー事業やインフラ開発事業に初期段階から参画するなど、商社の事業領域及び地域は圧倒的に多岐にわたる。

シンクタンクを世界各地のグループ企業内に擁し、最新の情報を収集し、情勢変化に迅速に対応できる点、及び超多角化経営によるシナジー効果、川上から川下へのサプライチェーンの構築と日本の商社とアジアのコングロマリットは世界経済で極めて大きな役割を担っている。


インフラ市場

日本の様な先進国に住んでいれば、交通、上下水道、医療、衛星などのインフラが整っている環境への有り難みがわかりづらい。しかし、こうしたインフラが未整備の発展途上国へ訪問すると、日本人など先進国の住民からすれば当然である多様なインフラが、どれだけ重要な物であるかが強く再認識される。

経済の成長には産業の高度化が必要不可欠であり、産業の高度化には高い技術力を要する外資の誘致が最も効果的であるが、インフラの未整備、法の未成熟は外資誘致の足かせとなる。

そのため、大きな債務を背負う事になろうともインフラ整備は経済成長において不可欠であるため、出来る限り早期に着手し、グローバルサプライチェーンに組み込まれる環境作りが必要だ。

経済成長により中間層が増加すれば、日本への観光誘致など相互の経済がより緊密化する。

日本企業にとっても国内でのインフラ建設需要が減少する中、他国とのインフラ建設受注競争に勝ち抜くため、技術力の改善、首相のトップセールスやODA、円借款、プロジェクトファイナンスなど政府による支援も不可欠となる。

他国でのインフラ建設受注は日本企業の技術力、経験値を更に研磨させ、国際競争力を高める結果へと繋がるため、今後は高付加価値のインフラ輸出が極めて重要な国家戦略となる。

高速道路、鉄道、上下水道、プラント建設、衛星他多様な産業においてインフラ受注の競争が更に激化するだろう。

発展途上国は資金が潤沢ではない事が多く、インフラなど莫大な建設費用の支払いには債務負担が大きすぎる、そのためプロジェクトファイナンスが活用されるケースが多い。

また、シンガポールの極めて高い都市管理技術は海外にも輸出が可能であり、今後は都市管理を包括的に実施する総合技術を海外市場に輸出するケースも増えるだろう。


インフラ建設

多額の資金を必要とするインフラ開発にはSPCなどの目的会社を通して資金を投資家から集める方法があり、オーストラリア、韓国、シンガポール他インフラ投資ファンドの上場市場も存在している。

不動産投資も二つとして同じものがないため、各不動産の鑑定には高い知識と技術力が要求されるが、インフラ投資はその特異性が不動産投資とは比較にならないほど高いため、直接投資には相当な専門家を多数集めて、多額のコストをかけてプロジェクトを精査する必要性が生じる。

インフラ投資の中でも稼働中の病院や高速道路などの社会インフラは比較的低リスクであるが、ブラウンフィールドの未開発案件はそのリスクも格段に上がる。


海外で存在感を増す日本企業によるインフラ建設

アジアの傾向として、世界規模の空港間、港湾間の競争力を増すため、設備の拡張路線や運営の民間資本活用による開放政策が進んでいる。

そして、急速な経済成長に呼応するエネルギー需要増からのプラント建設、資源確保などの急速な市場変化が起こっている。

内需が縮小を辿る日本では、積極的に海外市場に目を向けない限り、国内での熾烈な企業間競争によるゼロサムゲームに晒される確率が極めて高い。

現在は五輪特需によるインフラ整備需要が高まっているとはいえ、今後長期的に見れば、高い技術力と経験を持つ日本の各種インフラ関連企業にとって、発電、運輸などインフラ需要が加速度的に増加する海外、特にアジア市場に目を向けるのは必然である。

交通インフラの一つである鉄道建設では建築後も車両や路線のメンテナンス、運行におけるマネジメント他、長期間で建築国との経済連携が見込まれるため、現在のベトナムの様に大規模プロジェクトの実行により多様な日本企業が現地市場へ参入し、関連業種の集積化が期待される。例としてバンコクが正に日本企業の集積地となっている。

日本政府も質の高いインフラ輸出を国策として掲げており、今後世界中、特にアジア圏で日本企業の存在感がより一層高まる事が期待される。


新興国でのインフラ開発プロジェクト

世界的な金余りによる投資マネーの流入、先進国の成長鈍化、企業、銀行共に海外市場の開拓に躍起になっている中、ASEANの統合により、人、物、資本の行き来が加速し、物流網の拡大と整備が急速に実施されている。

ASEAN諸国は例え陸続きでもあっても各地域のインフラ整備状況に極めて大きな差があり、物流の障壁となっていたが、民間資本の活用方法も多様化し、巨大な経済効果が見込めるアジアのインフラ受注競争が激化している。

政府、首相もインフラプロジェクトを受注すべく、トップダウンセールスがアジア含め世界各国で活発に実施されており、例として中国は、激化する海外でのインフラ受注市場での競争力を増すため、国営の鉄道車両製造最大手北車と南車を統合し競争力を増しており、マレーシアの鉄道車両の多くが中国製である。

また、Temasek Holdingsはシンガポール政府が出資する政府系投資会社であり、シンガポール空港や港湾運営のPSAなどシンガポールを代表する多くの企業をポートフォリオとして所有し、国内で培った圧倒的評価の高い事業管理を武器に海外でも交通インフラを受託運営している。

日本企業の動向としては、日立製作所は英国のIEPを受注、日本の戸田建設はスリランカのケラニ川新橋建設プロジェクトにおいて高架橋の建設を受注、西日本高速道路株式会社は、インドネシア市場へ現地企業と合弁で参入他、ジャカルタのMRTは現在も沿線拡張の工事が実施されており、2024年には更に多くの輸送能力が発揮される予定

ASEANの経済成長による産業発展過程で、鉄鉱石、石油、石炭、コンクリートなどの資源調達が必要になる為、世界各地から最適な資源の輸入、そして加工品の輸出先確保など商社の活躍範囲は多岐に渡る。

商社のオーガナイズによって海外での巨大なインフラプロジェクトのプロジェクトフィナンス目的のSPCの設立、そして鉄道であればエンジニアリング、車両製造メーカー、運行システムメーカーなどをオーガナイズし、プロジェクトの進行を統括することにより、各企業及び相手国政府はやり取りの一本化が可能となる。


オート市場

ASEAN新興国は所得向上に応じてモータリゼーションが到来しており、バイク、自動車購入への需要が増加しており、商社は地域の幅広い層に対して購入機会を提供するためオートファイナンス、自動車保険などの自動車関連のフィナンス事業を展開

総合商社が展開するASEANの事業拠点の中でも特にインドネシアは大きな市場であり、タイで製造された自動車、オートバイなどの工業品の販売やオートファイナンスなどの金融分野でのインドネシア市場への参入が多く見られる。

またタイでのいすゞと三菱商事の提携など、日本のオートメーカーはASEANのコングロマリットや日本の商社と提携し、海外で製品の生産から販売までを行うケースが見られる。

オートメーカーの生産には多様なパーツ生産、金融、保険など経済波及効果が大きく、商社がオーガナイザーとして現地企業や政府と連携して工業団地を整備、日本の中小企業などが進出しやすい環境の整備などを実施している。

プラグインハイブリッド車市場は中国政府の推進もあり、急速に市場が拡大しており、世界の電気自動車メーカーも世界最大市場の中国への参入を図っている。

電気自動車は車体の軽量化、画像処理システム、センサーなど情報通信機器との連携がより高まるため、内燃機関自動車と比較してパーツのサプライヤーの勢力図が大きく変わる可能性が高く、半導体メーカーも今後はスマートフォン市場などから電動自動車市場への転換するケースも見られるだろう。


世界で拡大する空港設備改修

那覇空港  

急増する空港利用のニーズに併せて滑走路の増設、LCCターミナルの移転など整備が急ピッチで進み、各国間で展開される空港整備、拡張競争に対応

またアジアの物流ハブ構想として、24時間体制で運営される那覇空港を起点として、海外市場へ日本各地の特産品をより迅速に海外へ輸送が可能になった事により、市場が拡大し、高品質な日本各地の産品を適切な価値で評価してもらえる海外市場へのアクセスが可能となった。また空港利用の増加によってMRO市場の集積、整備も今後更に進み空港競争力を更に高めそうだ。


ベトナム ハノイ ノイバイ空港


以前は空港の評価ランキングにおいてハノイのノイバイ空港の評価は非常に低かったが、空港拡張工事により利用者の利便性が大きく向上

実際何度もハノイのノイバイ空港はここ1、2年で何度も利用しているが、空港内は快適で非常に利便性が高い。今後メトロ建設が完了し、鉄道が市内中心部と空港でつながれば、バス、タクシー以外の選択肢が増え、より利便性が向上する


台湾桃園空港の拡張工事の完了、ベトナムのホーチミンシティーの空港移転計画、宮古島の下地空港の整備、北京国際空港の大拡張他、各国の空港が続々と整備、拡張され、大航空時代に備える動きが見られる。

通常LCCは運営コストを抑えるため、地方空港や深夜、早朝の時間帯など稼働率の低い時間を利用する場合が多く見られ、特に欧州ではその傾向が強く、地方航空を利用することにより、国際線でも欧州路線は信じがたいほど格安で利用可能となっている。

空港にとっても、LCCが稼働率の低い時間帯や地方空港を利用することにより、経営がより安定化するメリットがある。

空港利用者数の拡大のため、空港施設の整備、市内から空港間のアクセスの改善など、膨大な投資コストが投入され、世界各地で空港施設の充実化が図られており、空港設備の改修、拡張などの工事の受注、加えて新空港建設時や運営管理契約の更新時において、空港運営管理を受託するための競争も激しくなっている。

各国の空港間競争が激化し、物流の多様化など空港設備の拡大が急務となる中、空港運営では民間企業の参画が多く見られる。

空港運営市場ではVINCI Airports S.A.S、韓国の仁川国際空港公社、チャンギエアポートインターナショナルなどが世界で多くの空港運営契約を受託している。

モンゴル、フィリピンの新空港の建設は日本の千代田ビル建設、シアヌークビル湾への出資、ミャンマーのマンダレー国際空港の運営は、日本の三菱商事株式会社が参画

ちなみにマンダレーには多数の鉱山があることから建機需要が高く、日本を代表する建機メーカーのコマツも市場参入している。


プライペートジェット市場とMRO市場

アメリカのボーイング、ヨーロッパのエアバスは大型航空機市場で高いシェアを誇り、小型飛行機市場ではカナダのボンバルディア 、ブラジルのエンブラエルが有名だが、日本でもMRJが誕生し、今後膨大な数のパーツを必要とする飛行機生産において、関連パーツ生産企業への経済波及効果が期待される。

双日は、カナダ最大の航空機メーカーBombardier Incの代理店であり、パラオ空港運用業務を実施している。

ビジネスジェットは基本的に、ヨーロッパ、米国、ブラジル、その他の国々において企業幹部やVIPで使用される割合が高く、富裕層の移動手段として今後より注目される市場となるだろう。MRO市場は香港、シンガポール企業が有名であり、多くの航空路の交流地点となるハブ空港の利点は、航空機のメンテナンス企業の集積も発生し、地理的優位性が高まる事も挙げられる。今後はリージョナルジェット市場の活性化、及び航空機の技術向上による小型化などによって空港市場が更に変化するだろう。

小型機の開発が加速しており、今後、小型航空機市場の拡大及び、この勢力図の変化が見られるだろう。


港湾

港湾も空港同様各地での設備拡大、自動化による効率化の向上他コンテナ誘致競争が展開されており、運営受託面でも受注獲得競争が激化しており、中国、オランダ、香港、シンガポールのPSAなど世界的に圧倒的なコンテナ取扱量を誇る港湾を有する国々は、そのノウハウと知名度を活かし、積極的に海外展開している。外国の港湾事業者の買収や、カンボジアのシアヌークビル港建設への参画他日本企業も海外港湾市場に積極的に展開している。


鉄道

MTR Hongkongは、北京、深セン他多様な地域で地下鉄運営を受託

ボンバルディアは鉄道車両では欧米に加えてアジア圏では、台湾、中国、タイ、シンガポール、マレーシア、韓国など多くの地域でボンバルディアの鉄道システムが採用されている。

カナダのボンバルディア、ドイツのシーメンスを筆頭に、鉄道市場では世界で欧米企業が圧倒的シェアを誇っている中、中国、韓国、日本などの鉄道市場での存在感が高まっている。


日本の鉄道沿線事業はグループ企業を多く擁し、経営を多角化しているのは有名である。

例として、駅ナカの商業施設はグループ企業によるFC運営、他にはデパート、オフィスビル、フィットネスクラブ、ホテル、娯楽施設、旅行代理店、広告事業、そして不動産、住宅開発など非常に多岐に沿線開発を展開しており、多様な市場で事業ノウハウを持っているため、都市中心部の過密化が深刻化しているアジアの多くの都市において沿線開発はより重要性を増すだろう。

日本の鉄道路線の長さは世界一ではないが、輸送人数では世界トップレベルであり、極めて過密な状況で運行が正確に実施されている点は日本企業ならではであると言える。

超過密なスケジュールをタイトにこなす運営効率の高さ、限られた地下の空間を行き来する複雑な鉄道路線の建設など日本企業が持つインフラ建設、運営技術の評価は高い。

日本以外の先進国、例として韓国や中国、香港、台湾、シンガポールも少子高齢化による内需の頭打ちに既に直面しており、技術レベルの向上や新たなるビジネス機会を求めて、積極的に近隣アジア諸国のインフラ市場へ進出しており、一国の交通、物流、エネルギーなどのインフラに関わる企業は非常に国際化、多様化している。

香港のMTRは例として北京や深圳の地下鉄など積極的に海外での鉄道運行を行っており、中国は国内の膨大な距離の鉄道インフラ建設により、高速鉄道、地下鉄建設及び運営、管理のノウハウが蓄積されており、日本同様世界中でインフラ受注のプレゼンスを高め、今後更に技術力を高める事が予想される。

韓国も同様に国内に高速鉄道、地下鉄が広く整備されており、高い技術力を擁するため、今後はインフラ輸出に更に注力するだろう。


ハノイとホーチミンのメトロ建設

ハノイメトロでは、日本、フランス、中国の3カ国が地下鉄建設に参画

政府が掲げるインフラ輸出戦略にはICカードなどの公共交通機関の運賃支払いシステムも含まれており、深刻な渋滞から公共交通機関の整備が急速に進む東南アジア都市において、日本企業のシステムが導入されるケースも今後増加するだろう。

欧州企業もアジア市場における運賃支払いシステムなどを含むインフラ機器輸出の存在感を高めており、日本企業と欧州企業における市場シェアの争奪戦がより激化しそうだ。


ジャカルタ メトロ

BRTが利用可能であるが、輸送量、路線に限りがあり、以前から深刻な交通渋滞に悩まされてきたインドネシア首都ジャカルタでのメトロ建設


ドバイ メトロ

完全な車社会であるため、海外からの現地就労者や観光客にとって移動が非常に不便であったドバイはメトロの開通により市内移動の利便性が大きく向上

車を持たない観光客、現地海外労働者にとってメトロはドバイでは極めて重要な交通手段


マカオ

近日運行開始予定のマカオLRTは三菱重工が参画


資源

日本の鉄鉱石の輸入量は、中国と並んで世界最大規模である。

鉄鉱石の生産は南米ではチリ、アジアでは中国とインドネシア、そしてオセアニアではオーストラリアなどが大きな生産量を誇っている。

商社の事業ポートフォリオにおいて資源関連収入、特にオーストラリアの鉄鉱石、石炭価格の上昇が商社の収益に大きく貢献した時期もあった。しかし、資源は価格変動のリスクが大きい為、リスクヘッジとして資源及び産地の多角化、非資源関連事業のポートフォリオの増加などが商社の現状の動向として見られる。

ロシア、インドネシアとマレーシアは天然ガス、中東は石油、米国とカナダはシェールオイル、貴金属は幅広く世界に生産地が分布しているが、特に南米に多く集中し、ブラジルは鉄鉱石、チリは銅、その他の南米地域にも多くの金属関連の資源があり、商社が資源の権益を取得しているエリアは世界全土に及ぶ。


エネルギープラント 発電の多様化と環境技術の輸出

日本の天然ガス輸入量は世界最大規模でありながら、輸入価格は元々石油の代替燃料としての位置ずけであった天然ガスには石油連動価格が適用され、その購入価格の高額さがアジアプレミアムと多方で指摘されている。天然ガスはガス田の探鉱を上流とすれば、輸送、発電などを中流、最終消費者への供給を下流と位置付けられ、上流に行くほど、事業リスクも高まる。特に天然ガスの取引は長期が一般的であり、更に輸送受入施設の整備など、プロジェクトの開始から事業開始までも長期及び巨額の投資が必要となるため、豊富な資金力及びフィナンス可能な信用力は当然として、正確な情報リサーチ能力が問われるため、商社、ガス、電力会社などの巨大企業が主要プレイヤーである。

ベトナムを筆頭に今後モータリゼーションが到来するアジア諸国では、排気ガスなどによる空気汚染問題がより深刻化する事が懸念される。

環境保全が進む欧州からアジア圏への滞在時において膨大な排気ガスによる空気汚染は長期滞在の場合は大きな障壁となるだろう。

インドネシア、マレーシア、ベトナムなどは石油、石炭産出国が多く存在するが、経済成長により高まる国内エネルギー需要に対応するため、またエネルギーリスクの観点からエネルギーの多角化が重視され始めている。

経済成長に伴い電力消費も増大するアジア圏では、特に中国、インドの電力需要が莫大であり、天然ガス発電、石炭火力発電のプラント建設需要が増加する中、再生可能エネルギーも今後電力のポートフォリオでシェアを伸ばす事が予想され、また発電したエネルギーを効率よく配電、利用するためにもスマートグリッドなどのエネルギー管理技術も開発が進みそうだ。近年注目を集める炭素繊維の生産には大量の電力を必要とする。

一般的には、各国のエネルギー供給は、経済成長を重視する政策として電気料金が低額に抑えられているため民間企業は参入は難しく、国営企業が担っている場合が主であったが、近年では民間資本を活用するケースも多くなっている。

主要総合商社のほとんどが再生可能エネルギーに参画しており、参入エリアは再生可能エネルギー市場で世界の先端を行く欧州を含め、アジア、北米、南米他世界全土をカバーしている。

エネルギー資源の中では天然ガスの需要が急速に高まっており、液化施設、気化施設の建設他、ロシア、インドネシア、マレーシア他地域でのガス貯蔵プラント建設など多岐にわたる天然ガス取引に参画しており、インドネシア最大の地熱発電所の建設には三菱商事が参画している。

ベトナムは急速な経済発展と産業の高度化によってエネルギー需要が急速に高まっており、火力発電などのプラント建設が増加する可能性が高い。

メキシコの石油生産量は非常に多く、シェールオイルの埋蔵量もポテンシャルが高いため、シェールガス液化プラント建設など、日本企業の技術が現地へ進出する大きな鍵となり得る。


浮動式天然氣接收站(FSRU) Floating Storage Regasification Unit

天然ガス施設の建設には莫大な建設コスト、長期の建設期間、そして立地他多様な条件が必要になる。FSRUはその点、導入がコスト面や工期などからより手軽となり、撤退も容易となるため、南米諸国、中国、リトアニア、インドネシア他多様な国々で導入されており、今後もその需要が拡大しそうである。

主なサプライヤーとしてノルウェーのGolar LNGが挙げられ、造船では韓国のサムスン、そしてFSRUへのコンバージョンはシンガポールのKeppel Shipyardが有名だ。


脱炭素の動きが加速する中、風力発電と太陽光発電は再生可能エネルギーの中でも開発が急速に進んでいる。

風力発電市場で大きなシェアを誇る欧州企業がアジア市場へ参入しており、そして中国の風力発電企業としては金风科技他多数の有力企業が存在し、今後中国から海外市場への進出が加速されそうだ。

日本の総合商社とプラント建設企業でのプロジェクト参画がベトナム、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、タイなどで見られ、例として地熱発電プラントは日本は地熱資源が豊富なその地域特性を活かし、インドネシアなど日本同様に地熱資源が豊富かつ、増大する電力需要を賄う必要性がある地域へのプラント建設や技術提供での市場進出が今後も増加するだろう。

日本企業も巨額の建設費用と長期の建設期間などのリスクを伴いながらも開発初期段階から洋上風力発電プロジェクトに多く参画しており、エネルギー発電事業のポートフォリオの変化が見られる。

日本、特に北九州地域では重工業の発展と引き換えに過去公害問題に直面してきた経緯があり、日本企業が持つ環境に対する先端技術は、工業化が急速に進み多様な環境問題が浮上しているアジア圏でその経験と技術が活躍しそうだ。


上下水道

石油などのエネルギーと並んで人類にとって最も重要な資源である水は、河川をめぐって歴史上多くの紛争の原因となってきた経緯があり、現在でも国家間を跨がる上流、下流、に位置する地域において水をめぐる紛争は続いている。

日本は水道から飲用水が出てくる素晴らしい環境下にあるため、水が豊富であるという認識が強く、水を資源として捉える認識が他国と比較して薄い場合が多い。

しかし、実際には梅雨や台風などの一定時期の降雨量に依存傾向も強く、決して盤石ではない。

現在世界では多くの地域が水不足に直面しており、特に中東では多くの海水淡水化プラントが建設されており、先端の逆膜浸透技術を持つ日本企業の海外展開が増えそうである。

水は飲用のみでなく、農業、製造業、及び発電時の冷却剤として使用されるなど用途は多岐にわたり、特にアルコール飲料や農作物の栽培には多くの水を利用する。

世界の水の多くが、農業用水として利用されている割合が多いため、食糧の多くを海外からの輸入に依存する日本は間接的に水を大量消費しているとも言える。

特にアジアの主食である米の栽培には多くの水が必要であり、アジアの人口増加は今後水不足の深刻化へ繋がる懸念も存在する。

灌漑技術の発展により、農作物の生産の安定性が高まり、供給が増加した一方、地下水の枯渇も指摘されており、特に人口の多い中国、インドでは水不足がより深刻化する可能性が高い。

日本では以前は上下水道の主要管理者は各自治体であり、一般企業は水道関連部品などの資材提供など水道管理ビジネスの一部であったが、法改正も後押しとなり、今後欧州の様に一般企業による水市場への参入も加速するだろう。

また、水道管の老朽化による大規模な更新費用の負担が必要となっているが、各自治体の財政難も背景となり、水道事業の効率化の観点からも水道事業の民間委託が増加する可能性が高い。

欧州はフランス、イギリスなど古くから水道事業が民間委託されており、フランスのVeolia、イギリスのテムズなどは創業も古く、現在では欧州に加えてアジア圏の進出なども目覚しく、世界の水市場を代表する企業としてなおも君臨しており、特に人口増加が著しく、また水道をはじめとしたインフラが未整備であるアジア、中東、アフリカ市場への参入競争は激化している。

水市場は、水道プラント設計のエンジニアリング、コンサルティング、フィルター膜などの濾過技術の機器製造や部材提供、水道管のメンテナンスや水道料金の回収、ミネラルウォーターの製造販売などその事業領域が非常に多岐に渡る事で知られる。

日本企業が強みをもつフィルター膜技術の部材製造などは多様な水道管理事業領域においては僅かな規模であるため、今後はプラント設計からメンテ、料金回収まで一連の請け負うことが可能な経験の蓄積が必要とされるだろう。

大阪水道局はベトナムホーチミンの上下水道の診断技術を、横浜市はベトナムのフエの水質改善技術をそれぞれ提供、更に北九州市は、カンボジアのプノンペン、インドネシアのスラバヤ、さらに中国の昆明、大連、サウジアラビアなどに水質管理技術を提供している。

逆浸透膜技術においては東レは市場のリーダー企業であり、その他にも多くの日本企業が高い技術力を誇る。


多国籍企業で多言語オンライン予約システムSuperSaaSが活用される想定例


商社、コングロマリットなどの多国籍企業はグループ企業内に財務部、IR部、HR、会計、法務部他多様な部署を擁しており、社内でのスケジュール調整など非公開型のスケジュール管理が必要となるケースは多くあるが、商社の場合は更に海外現地法人との連携他、スケジュール管理に時差も加わるため、管理項目が多岐に渡り複雑化する。

1.時差の異なる多国籍支店間におけるオンラインミーティングのスケジュール管理

2.スケジュールへのアクセスを細かく制限できるため、社内利用などのクローズ環境にも対応

3.建設機械の管理など、同一アカウント内に複数の目的別の異なるスケジュールを作成可能


多言語設定に加えタイムゾーン設定機能

日本語に加え管理画面も英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語その他へ完全対応

会員登録者は自身のタイムゾーンを設定可能によりスケジュールと自身のタイムゾーンの差が一目で確認可能

予約システムSuperSaaS日本公式サポートブログ

英語、中国語、韓国語タイ語を含む34言語、26種類の通貨に対応した多言語ネット予約システムSuperSaaS日本語版公式ブログです。お気軽にデモをお試し下さい。 https://www.supersaas.jp/